東京の集い
東京の集い 開催報告
2020洛星東京の集い ~この星を明日につなごう
東京の集い実行委員長 吉岡 雄次(30期)
1.はじめに
2月15日(土)、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京にて、「2020洛星東京の集い」が開催されました。
今回の東京の集いのテーマは、「この星を明日につなごう」にさせて頂きました。幹事の30期は、単にキリのよい節目の数字に当たっているだけではありません。2020年に卒業するのが63期であることを考えれば、30期は丁度真ん中あたりの扇の要に位置しています。幅広い期の同窓生の橋渡しを自分たちが務めたい――そこから「つなごう」という言葉が自然と湧き上がってきました。では、何をつなぐのか? 改めて考えてみると、なかなか難しい問題です。幹事一同で議論を重ねるなか、原点である洛星という校名を見つめなおしました。洛星を卒業して今を生きている人は、みんなが輝く「星」と言えるのではないでしょうか。そう、我々はみな洛星の「卒業星」なのです。こうして、東京の集いのテーマが決まりました。
また今回は、毎年東京の集いにご出席頂いているラバディ神父様が3月にカナダに戻られるということでしたので、関東近郊在住者の方にとっては、貴重なご挨拶の機会となることにあわせた企画も用意いたしました。
開催日が近づいてもなかなか参加者申込数が伸びずに幹事メンバー一同やきもきしておりましたが、直前になって多数の参加申し込みを頂き、最終的には303名の方にご参加頂きました。お忙しい中、ご参加頂いたご来賓の皆様、同窓生の皆様、ご同伴にてお越しの皆様にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
簡単に当日の模様についてご報告させて頂きます。
2.第一部 特別講演「星はすばる 銀河はすばる」
16時30分より、洛星30期の同期で東北大学天文学教室教授の児玉忠恭さんによる講演会を行いました。児玉教授は日本が誇るすばる望遠鏡・アルマ望遠鏡の立ち上げ時から、その運用に深く関わってきた天文学者で、日本における銀河研究の第一人者です。講演では、天文学研究の実態(高い山に設置された望遠鏡を使っての観測が高山病との闘いであること等)、すばる望遠鏡・アルマ望遠鏡の紹介等をユーモアも交えながらお話頂くところから始まり、現在解明されつつある銀河形成の過程や将来の銀河の姿・起こるであろう現象等について、画像を交えながら分かりやすく解説頂きました。時間の単位が千年、万年、億年という深淵な話に参加者の皆様も暫し時を忘れ聞き入られていた様子でした。最後に児玉教授からは洛星で学んだことが大変役に立っていると具体的な例を挙げられ謝意を表されたと共に、美しい星の集まる洛星ファミリーは、『すばる』であると、『星はすばる、銀河はすばる、洛星ファミリーはすばる』として講演の最後を締められました。そのあとの質疑応答でも、活発なやり取りがなされたように、今回の特別講演は、参加者からは大好評で、幹事団へ『非常に面白かった』、『内容が素晴らしかった』、『テーマがよかった』等との感想が多数寄せられました。参加者の知的好奇心を満たす講演を準備頂いた児玉教授にこの場をお借りして御礼申し上げます。
3.第二部 懇親会
懇親会はバンドネオン世界コンクール2年連続第2位となった仁詩さん(平沼仁詩さん 45期)の『リベルタンゴ』の演奏からスタートしました。参加者の皆さんは冒頭から圧巻の演奏に引き込まれたのではないかと思います。司会は昨年同様フリーアナウンサー寺谷一紀さん(26期)にお願いしました。
例年はご来賓のご挨拶、食前の祈り、乾杯を経て、歓談との流れになるのですが、今年は食前の祈りの前にラバディ神父様からご挨拶を頂きました。ラバディ神父様からは来日・洛星赴任のいきさつも含め、正に洛星に人生を捧げてこられた50年であったとのお話を頂きました。参加者は皆そのお話をきき、改めてラバディ神父様に対する感謝の念を感じられたと思います。
今回幹事期30期としては、懇親会の歓談の間に行う企画を3つ準備しました。一つは現在の洛星の紹介、もう一つは仁詩さんのバンドネオン演奏、最後の一つは『トゥオリオンフをブンガクする』と題したトゥリオンフの歌詞解説です。
最初の企画の現在の洛星の紹介については、藤田副校長(同窓生 25期)より、洛星同窓会奨学制度のホワイト奨学金の受賞対象となった現役生の方々の紹介がありました。また寄付金制度としての教育環境充実資金のご案内を頂きました。また現ロボット研究部顧問の北澤先生(同窓生 29期)から動画を使って、過去にも数々のコンクール受賞歴のあるロボット研究部の活動紹介がありました。
次に懇親会冒頭で圧巻の演奏でオープニングを飾って頂いた仁詩さんに再びご登場頂き、女性ジャスコーラスグループ『Suite Voice』のボーカルでラテンエッセンスの楽曲『SWAY』を演奏頂きました。バンドネオンの音色と女性コーラスの見事なコラボレーションで聴きごたえのある演奏でした。
最後の企画は、現在一橋大学法学部教授でフランス文学・思想史が専門の小関武史さん(30期)によるトゥリオンフのフランス語歌詞解説『トゥリオンフをブンガクする』でした。この企画では、ラバディ神父様にも壇上に上がって頂き、ラバディ神父様と小関教授とのやり取りを通して解説を行って頂きました。その解説によると、トゥリオンフはフランス語の詩の形式アレクサンドランに則っており、また斉唱部分と独唱部分では語りの構造が異なっているとのお話でした。ラバディ神父様からも『そのとおりです』と最後にお墨付きを頂き、『トゥリオンフはよくできている』との結論で、参加者の皆様も改めて『そうだったのか!』と納得され、より一層トゥリオンフに対する愛着を深められたことと思います。
この解説を受けてのトゥリオンフは、独唱部分を女性コーラスグループのSuite Voiceにお願いするという初めての試みとなりましたが、とても美しい歌声がまさに響きあい参加者の方々の心に残る一曲となりました。
この後フィナーレとなる校歌斉唱までは、会場のスクリーンにラバディ神父様からお預かりした数々の思い出の写真の中から30期の企画担当者が選りすぐったスライドを上映し、各人がそのスライドを見ながらラバディ神父様が過ごされた洛星での50年に思いをはせたり、ラバディ神父様に直接ご挨拶に来られたりとそれぞれの時間をすごされました。
フィナーレは、恒例の校歌斉唱でしたが、今回はSuite Voiceのメンバーにも斉唱に参加頂きました。いつも通り全ての期の同窓生が肩を組んで校歌を歌うことになりましたが、その中にも華やいだ雰囲気が加わり、大いに盛り上がったフィナーレとなりました。
4.おわりに
関東在住の30期卒業生は高校卒業以来、特に積極的に連絡を取り合ったり、集まることもなく、ごく少数の同窓生が東京の集いに不定期に参加するといった程度で、同窓会活動は極めて低調なものでした、それが1年前に今回の東京の集いの代表幹事を拝命して以来、少しずつ卒業以来会っていなかった同期とのつながりを拡げるとともに、先輩たちが開いてこられた東京の集いに負けない集いにしようと、各人が知恵を出し合い、皆で協力して準備を進めてきました。改めて振り返ると反省点も多々ありましたが、最終的には、参加して頂いた皆様にご満足頂ける時間をご提供できたのではないかと思っています。このような素晴らしい同期との再会、そして準備活動での洛星同窓生同士のつながりを通して、洛星という学校の素晴らしさを再認識できました。その思いがこの集いの参加者の方々にも伝わり、母校への愛着・同窓会でのつながりをより一層深めることができたのであれば幸いであり、またこのような機会を与えて下さった同窓会に深く感謝いたしております。
次回は本年8月15日(土)に「2020洛星夏の集い」が京都ホテルオークラで開催されます。引き続き30期が幹事をつとめさせていただきますので、こちらにも是非ご参加をお願い致します。
最後になりましたが、今回の東京の集いを実行するに当たり、様々なご指導、ご鞭撻、ご協力をいただいた関係者の方々に心より深く御礼を申し上げます。